たまにはまじめな話です。
今朝のNHK「あさイチ」の特集は
「ネットの誹謗中傷」でした。
わたしは芸能人ではないけれど、
匿名の誹謗中傷を受けたことがあります。
初めて本を出版したとき、いくつかのメディアに取り上げていただいて、
そこからの素敵なご縁がたくさんありました。
しかし、多くの方に知っていただいたことが、
あることないことを言われる事態にもつながってしまいました。
完璧な人間ではない自覚はあるので…
改善すべきことならば謙虚に受けとめたいと思っています。
できれば、正体を隠さず荒くない言葉で伝えてほしいですが。
しかし見過ごせないような内容は、
必要があれば証拠を保存して動くことにしています。
それだって、自分へ向けられた酷い言葉に向き合うという、心を切られる作業。
無駄に傷つかず解決できるようになったらいいのに。
ただ世の中は確実に変わっています。
泣き寝入りが多かったひと昔前と違い、
「侮辱罪」が厳罰化となり、以前より簡単な手順で相手を調べて責任を問えるよう法制化されました。
☆軽い気持ちで書いた悪口が犯罪になる。
☆匿名に見えても名前や住所を辿れる。
わたし自身を含め大人世代の多くは、これらを学ぶ機会がないまま便利な道具を手にしてしまいました。
子どもたちにはスマホなどを持ち始める前に伝えたいことです。
わたし自身に起きた出来事は、刑事さんや弁護士さんに相談する機会に恵まれました。
詳細や結末は専門家以外に話すつもりはなく、家族すら概要しか知りません。
ですから言える範囲ですが、
【起きたこと】
・SNSに粘着して監視する。
・ブス、ババアなど容姿の悪口。
・毎日ブログを書けるのは育児放棄してるからだ、などの批判。
(開業した頃、毎日更新をがんばりたくて子どもが寝てから書きためて予約投稿していました)
匿名は1人何役もできるんですね。
大勢に見せかけていても、実際はそうではない。
妄想も入ってきて、その悪口をわたしが読みに来ていると思い込み、
「これを読んだからSNSにこう書いてきたんだ!嫌味な女!」と…
一人相撲のようになっていき、気味悪さを感じました。
芸能人のアンチ掲示板なども「ここ絶対本人見てるよね!」と思い込む人がいるそうです。
ちなみに、実際に知ったのは書き込まれてずいぶん経ってからでした。
匿名のものを見る習慣はないのですが、
アクセス解析の過程で偶然目に入ってしまいました。
そこまでならまだマシでした。
・お金を払ってまで講座に参加し会いに来ようとする。
・本のファンです!とSNSに友達申請してプライベートを見ようとする。
という疑いが出てきました。
もはや嫌いなのか、なんなのか…
自分だけなら我慢できても、応援してくださる方や友人・家族のことまで
「こんな女を好きだなんておかしい」と否定されたのが特に苦しくて、
特に夫のことは、長期入院して仕事を離れた時期があったのですが、
それを「こいつの旦那プーだよ」などと。
闘病から社会復帰までの姿を側で見ていただけに、
何も知らない人に見当違いを言われるのはやり切れませんでした。
(10年くらい前のことで今は元気に働いています)
正直、知ってしまった瞬間は、
吐き気、不眠、食べられないなど…体調にも影響が出てしまいました。
自分の悪いところばかりを探すようになり、萎縮して自由に振る舞えなくなりました。
活動を諦めたり、なかには
命を粗末にしたりしてしまう人も
いるかもしれないと思いました。
味方でいてくれる人の支えがなかったら。
いや、支えがあったとしても。
ばかなこととわかっていても。
ふと、すべてをリセットしたくなってしまうかもしれません。
ただ、こんなにも恐怖を感じる理由のひとつは
「誰がやっているか分からないから」
なのだと思いました。
でも、匿名でしか言えないのって実際には気が小さい人が多いです。
これも書ける範囲ですが…あるきっかけで、
わたしを良く思っていなかった「相手」と「思い」を知る機会がありました。
言い分は、
「夫も子どももいるのに好きな仕事をしているのが許せない」
「自分は我慢しているのに」
………
………とても複雑でした。
単に意地悪な人というわけじゃない背景を見てしまった。
わたしも悩みながら家庭と好きな仕事を両立させてきたので、
その苦しさには共感できてしまう部分もあったし、
立場が違えば分かり合えたのかも?なんて考えすら浮かびました。
ただ、その不満はわたしのせいではないやろ。
ぶつけられる道理は無いです。断じて。
「悪口は心の叫び」という言葉があります。
攻撃をしてしまう時って、何か満たされない状態なのだと思います。
でもその憂さ晴らしで心は晴れないし
撃ったら撃たれるかもしれない。
すっごくウザい綺麗事をあえて言うけど、
そのイライラを自分の成長に向けることはできなかったかな。
周りにいる、家庭と好きなことを両立する人たちも、
話してみると、水面下ではキラキラもチャラチャラもしていなくて
泥臭い積み重ねをしています。
わたしは自分で事業を起こして活動しているからには、
お客様が不安にならないよう顔も名前もあきらかにしています。
そこで信頼が得られるメリットもあれば、
こうして何か言われるリスクもあるけれど。
安全な場所から相手だけをこき下ろす相手に
腹くくっている人間が負けるわけない。
そうであってはいけないです。
今もし、ひどい言葉や行動に
味方がいない心細い気持ちの人がいたら
わたしは、あなたを肯定するでな!
あなたには絶対に価値があるし、
元気で、生きていてほしいでな!
無責任に言える悪口に、気にするほどの価値はないです。
もちろん気にしてしまうことも当然で、ダメでも弱くもないです。
今もし、スマホ片手に攻撃しようとしている人、
引き返せませんか。
一瞬スッキリしたとしてもその先には、幸せも成長もない。
匿名に見えてもあなたの個人情報に繋がっています。
責任をとる覚悟はありますか。
偉そうに書いていますが、実は長いこと一人で抱えてしまいました。
刑事さんにも「どうしてもっと早く言わなかったの?」と聞かれたくらい、すぐに向き合えることではありませんでした。
心の整理がついてきてから、話の流れで友達に打ち明けたことがあったけど、
「たかえみたいな子が嫌われるなんてありえん!」と自分のことのように本気で怒ってくれて、
そんないい人間でもないのに。泣けました。
だから生きとる。
大袈裟じゃなく味方でいてくれる人は命の恩人です。
そのおかげで、知ってしまった「目立つことの恐怖」と付き合いながら、
2冊目の本も作ることが出来ました。
この体験を伝えるのも勇気がいることで、これは何度も書き直してはひっこめていた文章です。
自分が悪く言われたことなんて本当は知られたくないし、恥ずかしくて、
なかったことにしたいです。
それでも、この体験が無駄にならなかったら救われます。
どうか周りの人、特にこれからスマホやタブレットを使いSNSにも触れるであろう子どもたちに、
お話をするきっかけとしていただけたらうれしいです。
(この記事はお子さまに伝えるときの事例のひとつとして活用くださっても構いません)
おかげさまで今はとても平和です。
ずっと離れず応援してくれている人に感謝して、
自分も誰かが傷ついていたら希望を与えられる側でありたいです。
とても長い文を読んでいただきありがとうございました。
感謝をこめて。